糖質制限・ファスティングの罠
即効性のあるダイエットとして、糖質制限やファスティング(断食)が流行していますが、やり方を間違えるとリバウンドだけではなく取り返しがつかなくなるリスクもあります。
今回はこのような食事制限系の流行りのダイエット法のリスクについてお伝えします。
1)【結論】快か不快かを常に考えること
いきなり精神論で恐縮ですが、ダイエットをする上で自分に合っているか否かを判断するポイントは、その方法を継続していて「心地よいか心地よくないか」を考えることです。
心地よくないことは結局習慣化しにくいので、三日坊主になってしまうだけではなく、食欲に関するホルモンや自律神経のバランスが乱れ、普段以上の食欲が湧いてしまい結果的に食べ過ぎの原因になることが多いです。
糖質制限やファスティングを行い、数日間は気合と根性で乗り越えられたとしても、その生活を継続できなければ意味がありません。
数あるダイエット法の中で自分に合っているかどうかを、この「快か不快か」というポイントで常に考える習慣をつけておきましょう。
2) 食事の量を減らすと省エネモードになる
当たり前ですが、食べる量を減らせば短期間で体重は落ちます。しかし同時に基礎代謝も低下してしまうため、元の食事量に戻したら太ります。
ここで最も忘れていただきたくないことは、基礎代謝が低下し体が省エネモードになっている時にダイエット前と同じ量の食事をすると、元よりも太りやすくなります。
つまり、一度糖質制限やファスティングなどの食事制限系のダイエット法を試すことでどんどん太りやすくなるという負のスパイラルに突入します。
ましてや、何度も食事制限系のダイエット法を試したことがある方は、極端に基礎代謝が落ちてしまっているケースが多いので、基礎代謝を元に戻す(リセットする)必要があります。
3)エモーショナルイーティング
エモーショナルイーティングとは、感情を満たすための食欲の事で、感情的摂食とも言います。
分かりやすく言えば「ストレス食い」です。以下のような経験はないでしょうか?
■仕事で嫌なことがあり甘いものを食べ過ぎた
■テレビを見ながら、ついついスナック菓子を食べてしまう
■仕事で成果を出せたので、ご褒美でケーキを食べた
■失恋をして食欲がなくなった(もしくは過食になった)
これらは、物理的に胃が空っぽになり空腹を感じるのではなく、ストレスホルモンと言われるコルチゾールという物質が体内で過剰に分泌され、衝動的に食欲が増したことが原因です。
コルチゾールはタンパク質や炭水化物、脂質と言った栄養素の代謝を調整するホルモンですが、 過剰に分泌されることで甘いもの・塩辛いもの・脂っこいものを無性に欲することがあります。
これらの食べ物には、脳内麻薬と言われるエンドルフィンやドーパミンを 分泌させることで ストレスを一時的に和らげると言われています。
4)糖質制限の弊害
糖質制限をすると、数日で3kg前後もの体重が落とせることもありますが、それは脂肪が燃えているわけではなく単純に体内の水分が減っているだけです。
肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンは、1gあたり3gの水分を保持しているといわれています。糖質制限をしてグリコーゲンが体内から抜けていくことで、1gあたり3gの水分が抜けて結果的に体重が落ちるので、短期間で痩せたように錯覚するのです。
大会出場のために計量があるボクシング等のスポーツをされている方はこれを利用して「水抜き」を行うことがありますが、一般の方が健康的に痩せるために糖質制限を行うことはメリットよりもデメリットの方が多いと考えます。
糖質制限のデメリット
■低血糖症による頭痛や眠気、イライラの増加
■睡眠の質が低下することがある
■便秘になる可能性が高い
■口臭や体臭がきつくなることがある
■外食で困ることが多い(生きづらい)
■リバウンドしやすい
■糖質制限を厳密に行う場合、適正カロリーを満たすために糖質を制限した分の脂質やタンパク質の摂取量が増えて健康に悪影響を及ぼすことがある
手軽なダイエット法として紹介されることの多いファスティングや糖質制限ですが、適正な方法で実践するのはかなり難しく、SNS等でつまみ食いした情報のみで実践すると、上手く痩せられないだけでなく、カラダを壊す恐れもあります。
こういった食事制限系のダイエットをきっかけに、過食症や拒食症という病気になってしまうケースも多くあります。
目先の数字だけでなく、長期的な健康や心の安定も踏まえた上で正しく痩せる方法を選択できると理想的ですね。
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