湘南つなぐ鍼治療院

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2022/02/01栄養管理

ランナーの栄養摂取のコツ(日常編)

ランナーにとってカラダのコンディショニングは重要なテーマです。

レース本番での完走や自己記録の更新を望むのであれば、普段からコンディショニングを意識したトレーニングや食事管理が必要となるでしょう。

ここでは、ランナーに必要な食事内容や栄養に着目して解説していきます。

 

1)ランナーが1日に必要とする食事量

ランニングによって消費されるカロリーは、体重と運動の継続時間と速さによって変わります。

例えば、男性のフルマラソンの平均の完走時間は約4時間半なので、体重70キロの男性が、時速10キロ(1キロ6分のペース)でフルマラソン42.195キロを走った時の消費カロリーは約3,300kcalとなり、フルマラソンを走ると約1日分の摂取カロリーを軽く消費できるという計算になります。

逆に言うと、普段通りの食事量では、フルマラソンを完走できるエネルギーが枯渇してしまうということになります。

まず、可能な限り1日3回の食事を基本とし、運動で必要とされる栄養素を含んだ補食を活用して毎食不足のないように、一般の方よりも多くとる必要があります。また、食べた物を消化吸収してカラダやエネルギーに変えるプロセス(代謝)において、ビタミンやミネラルなどの栄養素も欠かすことができません。

タンパク質・糖質・脂質・ビタミン・ミネラルと呼ばれる5つの栄養素(5大栄養素)をバランス良く摂ることが食事によるコンディショニングの基本です。

 

まずはレース本番に向けて、その日のトレーニングの負荷に応じたバランスの良い食事を摂取し、走れる身体づくりをしていくことに加え、レース直前に普段よりも多い栄養補給が出来るような消化機能(内臓)の準備をしておくということも重要となります。

 

2)良質なタンパク質の補給

ランナーの場合、体重1kgあたり最低でも1.2~1.5gのタンパク質が必要だと考えておくといいでしょう。

タンパク質のとり過ぎは腎臓や肝臓などの内臓に負担をかけてしまうこともありますが、少なすぎると日々のトレーニングでダメージを受けた筋肉の修復がうまくいきません。

注意が必要なのは、タンパク質は炭水化物や脂質と異なり体内で貯蔵することが困難な栄養素ですので、一度に沢山食べると消化不良分は体脂肪になってしまいます。タンパク質が大事だからといって、プロテインドリンク等をやみくもに沢山とればいいという訳でもなく、1日3食を基本としてなるべく小分けで食べて頂いた方が理想的です。(ボディービルダーは1日5回以上に分けて食べるのに対し、お相撲さんは脂肪もつけたいので2食や1食にするのがそこにつながります)

 

3)炭水化物の重要性

最近はダイエット目的で炭水化物(糖質)を避ける人も多いのが現状ですが、ランナーには炭水化物は重要な栄養素です。炭水化物をとることで血糖値が上がり、膵臓で分泌されるインスリンは、筋肉中へのたんぱく質(アミノ酸)の取り込みを助けます。主食である炭水化物を抜いてたんぱく質だけをとると体内での利用効率が低下したり、せっかく摂取したタンパク質が走れる身体づくりや修復ではなく、エネルギーとして利用されてしまうこともあるので注意が必要です。

4)補食について

1日3回の食事で普段よりも多くのタンパク質等の栄養素を摂取することは現実的ではありませんので、特にレース本番前やトレーニングの負荷が多い日は、補食(サプリメント)を利用することをおすすめします。

筋肉のダメージの回復に特に役立つ栄養素は必須アミノ酸のうちBCAAと呼ばれる分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)です。

ランニング時にエネルギー源であるグリコーゲンが減少すると、筋肉中のBCAAが筋肉を動かすエネルギー源として消費されてしまい、体内でBCAAが不足してくると、その結果として「疲労」や「脚が重い」といった状態を招くほか、パフォーマンスの低下やけがをしやすい状態にもつながるので、走る30分前、走行中、走った直後(30分以内)にBCAAを水分補給として摂取する習慣を身に付けておくのがおすすめです。

※プロテインはタンパク質の「量」を摂りたい際にはとてもおすすめですが、アミノ酸の方が内臓に負担がかからず消化のスピードが早いため、ランニング前後はアミノ酸(BCAA)、普段の食事のタンパク質補給としてのプロテインと位置付けるといいかと思います。

同様の意味で、ランニング前後の捕食として炭水化物を摂る際は、消化の早いバナナや麺類がおすすめです。

 

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